野菜スープ習慣でがん予防

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野菜スープを飲む理由

活性酸素の除去

活性酸素とは

活性酸素は、体のあらゆる物質と結びつき「酸化」させる。鉄が酸化すると錆びるように体も酸化すると老化していく。コレステロールが酸化すると動脈硬化が加速したり、膵臓のβ細胞が酸化すると糖尿病の原因となる。また、活性酸素はDNAを傷つけ「がん」を誘発することも知られている。

厄介な「脂質ラジカル」

活性酸素の中でも最も厄介なのが「脂質ラジカル」である。脂質ラジカルは酸化した脂質が金属と結合してできる。他の活性酸素と違い何時間でも存在できるのが脂質ラジカルの特徴で、細胞膜に入りこみ遺伝子を破壊することで大腸癌の原因にもなっている。

元々体には活性酸素除去能力は備わっているが、加齢と共にその能力は低下していく。そのため、活性酸素を除去できる抗酸化作用のある野菜を摂る必要がある。

抗酸化作用について

抗酸化作用とは

抗酸化作用とは、酵素の働きによって活性酸素を中和して無毒化することで、体を酸化から守り老化や病気を防ぐことができます。野菜には「ファイトケミカル」「ビタミンA・C・E」「グルタチオン」などが含まれており、これらは代表的な抗酸化物質として知られています。

ファイトケミカル

1、ポリフェノール

ファイトケミカルの中でも最も種類が多く、4000以上ある。玉ねぎのケルセチンやお茶のカテキン、赤ワインのアントシアニンなどが代表的なポリフェノールとして知られている。

2、カロテノイド

緑黄色野菜などに多く含まれ、βカロテンなどは体内でビタミンAに代わることで抗酸化作用を示す。トマトのリコピンなどもカロテノイドの一種である。

3、フラボノイド

大豆のイソフラボンなどが代表的な例で、前立腺がんを抑制する効果なども報告されている。

4、イオウ化合物

ニンニクやネギなどに含まれるファイトケミカル

ビタミンA・C・E

1、ビタミンA

皮膚や粘膜を強化する働きがある

2、ビタミンC

インターフェロン生成を促進し免疫力を高める。またコラーゲンの生成やメラニンの抑制にも働き美肌効果も得られる。

3、ビタミンE

厄介な「脂質ラジカル」を中和してくれる。中和する際にビタミンE自らが活性酸素になってしまうが、ビタミンCの働きにより抗酸化作用は復活する。

グルタチオン

グルタチオンは厄介な活性酸素である「脂質ラジカル」を消去することや、発がん物質と結合し排泄を促す作用がある。また、ビタミンCが活性酸素を中和した際にビタミンCラジカルとなり抗酸化作用を失うが、グルタチオンによってビタミンCの抗酸化作用を復活させることもできる。

グルタチオンを多く含む野菜としては、パセリ・ブロッコリー・ほうれん草・ピーマン・カリフラワー・ジャガイモなどがある。グルタチオンが水に溶けやすい性質から、これらの野菜をスープにして飲むことで効率的にグルタチオンを摂ることができる。

サラダではなくスープにする理由

吸収率

野菜に含まれるファイトケミカルは、野菜の細胞壁に守られているため、刻んだり噛み砕いたりするだけでは効率的に摂取することができない。加熱することで細胞壁を壊し、ファイトケミカルが水に溶け出すことでそのまま食べるよりも10〜100倍も多くファイトケミカルを摂ることが出来る。

殺菌

生野菜には「O-157」などの細菌が付着していることがあるため、そのまま食べると食中毒の原因にもなる。野菜スープにする過程で加熱することで殺菌し安全に栄養を摂ることが出来る。

必要量

野菜の1日の必要量は350gと言われている。生野菜で350g食べるのはかなり大変です。野菜スープにすることで、必要量を効率的に無理なく摂ることが出来る。

野菜スープ習慣

野菜スープの作り方

1、季節の野菜を一口だいに切る。

2、鍋に水を入れて切った野菜を入れる

3、火をつけて、蓋をし沸騰させる

4、沸騰したら弱火にして30分程度煮込む

5、ハンドブレンダーで細かく撹拌して野菜をペースト状にする

6、冷まして容器に入れて冷蔵保存する

7、3〜4日は保存可能。※防腐剤としてビタミンCを入れてもOK

習慣化の実例

野菜スープ習慣

1、毎朝、昼食用の野菜スープを準備します。

2、作り置きしている野菜スープ300〜400mlを鍋で温めます。

3、スープジャーに味噌(麦味噌、赤味噌)と鯖缶の中身を入れます。

4、野菜スープが沸騰したところで、鍋に卵を2個入れます。

5、卵が十分固まったらスープジャーに卵とスープを移します。

6、残った野菜スープは朝ご飯として飲みます。

参考文献

抗がん剤の世界的権威が直伝!最強の野菜スープ

著者:前田 浩 熊本大学名誉教授

平成30年4月7日 第7刷発行

発行所:株式会社マキノ出版

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